貿易ニュース 10月2010年

27/10/10 スペインの大手食品会社が豪のサンライス社を買収する計画
27/10/10 レクサスとクルーガー2万5,000台をリコール−豪州トヨタ自動車
27/10/10 7-9月期のオーストラリアの輸出額が約8%上昇 − 豪統計局
27/10/10 ロシアへの豪産牛肉輸出は回復方向も、カンガルー肉は未だ輸入禁止
27/10/10 ニューサウスウェールズ州の干ばつ終了宣言 − NSW州政府
27/10/10 トラック事故で搭載の14トンの養殖サーモンが廃棄に−タスマニア州
20/10/10 マーレー・ダーリング川流域の農業用水削減に農家は冷静な対応を
20/10/10 大量の中古タイヤが豪州でリサイクルされず中国で燃やされている
20/10/10 豪州の農家はヨーロッパの新しい環境貿易障壁に懸念が増す
20/10/10 9月の新車販売が依然好調、乗用車部門は12.6%増 − NZ
20/10/10 来年2月までに、豪産ブドウの中国への輸出が可能に
20/10/10 有害農薬エンドスルファンの使用を禁止 − 豪医薬品局
13/10/10 サンダルウッド生産者が海外での生産を計画−西オーストラリア州
13/10/10 クルマエビ養殖業者は価格が下がり四苦八苦−クイーンズランド州
13/10/10 豪州の9月の新車販売は過去最高、年間予想も100万台強に上方修正
13/10/10 景気が回復せず真珠養殖業者は減産 − 西オーストラリア州
13/10/10 ヨーロッパへのイノシシ肉の輸出量が過去最高−クイーンズランド州
13/10/10 今年の乾牧草の生産量が70%減少 ー 西オーストラリア州
06/10/10 カンガルー製品の輸入を5年間許可 − 米国カリフォルニア州
06/10/10 ワイン用ブドウの生産過剰が農家の利益を圧迫
06/10/10 オーガニック食品が10億ドルの産業になる
06/10/10 栗の病気であるクリ胴枯病の発生を確認 − ビクトリア州
06/10/10 オーストラリアは年間5億ドルの野菜を輸入 − 豪野菜業界団体

                                                                 

10月27日2010年 スペインの大手食品会社が豪のサンライス社を買収する計画
  スペインの大手食品会社エブロ・フーズ(Ebro Foods)社が、3億1,500万ドルでオーストラリアの米生産業者サンライス社の獲得を試みている。 
  米農家が株主となっているサンライス社は今日、エブロ・フーズ社と買収に向けた独占的な協議に入ったと発表した。 エブロ・フーズ社は世界最大の米の生産者で、パスタ部門でも世界で2番目に大きな企業である。 
  同社は、Aクラスの議決権のある株式(実際に活動している米農家が保有)に5万ドル、Bクラスの議決権のない株式(実際に活動している米農家や以前活動していた米農家が保有)に、一株当たり5.025ドルで買収のオファーを行なっている。 サンライス社の企業価値は6億ドルとされるが、買収総額は3億1,500万ドルとなる。 
  サンライス社側は、「今回のエブロ・フーズ社のオファーは一方的なもので、会談では増資に関しての我々の制限を話した。 株主たちはオファーの価格が、現在のサンライス社の企業価値を反映していないと懸念している」と話した。 
  サンライス社の会長で米農家でもあるジェリー・ローソン氏は、「エブロ・フーズ社とサンライス社はビジネスにおいて長い付き合いがある。 エブロ・フーズ社による我々の業界への能力、誠実性、責任感は、エブロ・フーズ社との恒久的な関係により、我々経営陣はよく知っている。 エブロ・フーズ社との取引では、アメリカのカリフォルニア産の米の価格をベースに、素晴らしい価格でニューサウスウェールズ州の米農家から中粒米を2012年から5年間買い付けをすることになっている。 またニューサウスウェールズ州のほかの米の品種も毎年10万トンを市場価格で買い付ける契約もある」と話した。 (Source: SMH/FarmOnline, 21/10/10 "Spanish food giant makes bid for SunRice")
10月27日2010年 レクサスとクルーガー2万5,000台をリコール − 豪州トヨタ自動車

  自動車メーカーのトヨタは、ブレーキ液が漏れる可能性があることで、オーストラリアで2万5,000台以上の車をリコールすることを発表した。 
  オーストラリアでリコールの対象となるのは、1万7,000台のクルーガーと8,000台のレクサスで、モデル・ナンバーがRX330、IS250、 GS300である。 対象となる車の所有者は、最寄のデーラーで検査を受けるように呼びかけている。 トヨタ自動車オーストラリア社のロウラ・ヒル広報担当は、「リコールの対象となっているモデルは、ブレーキ液が漏れる可能性がある。 通常、ブレーキ液の漏れが発生すれば、ダッシュボードのブレーキのランプが点灯する。 今回のリコールは、もしブレーキのランプが点灯しなくても、安全に走行できることを確認するためのものである。 もしブレーキのランプが点灯すればブレーキ液を補充して、すぐに最寄のデーラーで点検を受けて欲しい」と話した。 
  トヨタ自動車は10月21日に、全世界に向けて150万台を対象とするリコールを発表し、アメリカ、日本、ヨーロッパ、中国も対象となる。 同社はブレーキ液の漏れや、燃料ポンプの欠陥を修理する必要があるとし、この問題は全世界で13のモデルに及ぶとしている。 (Source: ABC, 22/10/10 "Toyota recalls 25,000 cars in Australia")

10月27日2010年 7-9月期のオーストラリアの輸出額が約8%上昇 − 豪統計局

  オーストラリアの7-9月期の輸出額が約8%上昇し、来月の政策金利の引き上げが予想される。 オーストラリア統計局(ABS)が発表した統計によると、7-9月期の輸入額は0.7%上昇し、輸出額は主にアジアからの高い需要による石炭や鉄鉱石の輸出価格が値上がりし、7.8%上昇した。 
  RBC Capital Markets社のシニア・エコノミストのスー・リン・オング氏は、「今回の予想を越えた数字をみくびってはならない。 これは2桁のGDPの成長、可処分所得の増加、ビジネス投資の増加、高い雇用市場によって裏付けられている」と話した。 
  ほとんどのアナリストたちは、遅かれ早かれ連邦準備銀行 (RBA) が政策金利を引き上げると予想している。 連邦準備銀行は昨年10月から6回政策金利を引き上げて来たが、5月からは据え置いたままである。 豪ドルが米ドルに対して高くなったことと、世界的な経済の不透明感が今月も政策金利を据え置く結果となった。 (Source: ABC, 22/10/10 "Export prices soar in third quarter")

10月27日2010年 ロシアへの豪産牛肉輸出は回復方向も、カンガルー肉は未だ輸入禁止

  ロシアへのオーストラリア産牛肉輸出は、検疫の問題で輸入禁止期間があったが、その後は順調に回復している。 
  連邦政府農業・漁業・林業省のアンドリュウ・ピアーソン氏は、「今年に入って現在まで、ロシアへは2万2,000トンの牛肉が輸出された。 ちなみに前年同期は1万5,000トンであった。 しかし、ピーク時の2008年の7万トンと比べるとまだ大幅に落ち込んでいる。 ロシアとの牛肉の貿易関係は改善してきているが、カンガルー肉は依然輸入を禁止している。 カンガルー肉の検疫については、改正した検疫の報告書を先週ロシア当局に提出した。 この報告書に対する前向きな回答を精力的にロシア側に求めていく」と話した。 (Source: ABC, 21/10/10 "Meat trade to Russia improves, though roo ban remains")

10月27日2010年 ニューサウスウェールズ州の干ばつ終了宣言 − NSW州政府 

  ニューサウスウェールズ州で過去9年間に渡る最悪の干ばつが公式に終わった。 
  ニューサウスウェールズ州政府のスティーブ・ウァン第一次産業相は今日、New England地域、Monaro地域、北西部平野でまだ干ばつは残るものの、ニューサウスウェールズ州全体として干ばつの終了宣言を行なった。 
  記者会見で同相は、「2001年6月から干ばつが始まったが、今年の冬作物の収穫額は28.5億ドルとなる。 2003年8月の最悪時にはニューサウスウェールズ州の99.5%の地域に干ばつ宣言が出されていた。 この間、ニューサウスウェールズ州政府は干ばつの支援金として5億3,500万ドルを拠出し、連邦政府も緊急融資の利息分15億ドルを援助した」と話した。 
  ニューサウスウェールズ州農家連盟のチャールズ・アームストロング会長は、「干ばつの終了宣言は歓迎するものの、多くの農家が黒字経営になるのはまだまだ先の話である。 農家は今年の小麦の収穫量を見極めるまで、借入金を返済するまで、農業用水の割り当て問題が解決するまでは喜べない」と話した。 (Source: ABC, 21/10/10 "Drought over")

10月27日2010年 トラック事故で搭載の14トンの養殖サーモンが廃棄に−タスマニア州

  タスマニア州北部でトラックが事故を起し、搭載していた25万ドル相当の養殖サーモンが被害に遭った。 
  警察によると、10月22日午前2時頃、14トンの養殖サーモンを搭載したトラックがタスマニア州北部にあるサーモン加工場に向かう途中で電柱に衝突した。 トラックの運転手と同乗者は軽症を負い、この事故によりDerwent ParkやNew Townへ電気を供給する電線が切断された。 
  サーモン養殖業者フオン・アグリカルチャー社のピーター・ベンダー社長は、「顧客への納入日を守るために、代替のサーモンを急遽用意する。 不幸中の幸いで、事故は金曜日に起こった。 通常、次のマーケットへの出荷は月曜日で、今夜新たな養殖サーモンを水揚げして、明日加工場に搬入して納入日を守る」と話した。 (Source: ABC, 22/10/10 "Salmon load lost in truck crash")

10月20日2010年 マーレー・ダーリング川流域の農業用水削減に農家は冷静な対応を

  南オーストラリア州ミッド・マレー・カウンシルの市長は、マレー・ダーリング川流域庁(Murray-Darling Basin Authority)が農業用水の削減を計画していることに対して、農家たちに冷静な対応を求めている。 
  マレー・ダーリング川流域庁は、川や沼地により多くの水を増やすために、流域への農業用水を50%近く削減する計画を立てている。 これに対し農家たちは一斉に反発している。 ミッド・マレー市のイアン・マン市長は、「この農業用水の削減計画は暫定的なものであって、現段階では農家の人々はあまり心配すべきでない。 南オーストラリア州は他の州と比べてより多くの農業用水を割り当てられるべきである。 南オーストラリア州の農業用水の割当量は1968年から据え置きにされているが、他の州の割当量は1996年まで無計画に増加してきている」と話した。 
  * マレー・ダーリング流域は、オーストラリア最長のダーリング川と第2位のマレー川から成っている。 同流域はクイーンズランド州、ニューサウスウェールズ州、ビクトリア州、南オーストラリア州を含み、農業用水を中心にその水利権をめぐる争いが続いている。 (Source: ABC, 13/10/10 "Calm urged over basin water cuts")

10月20日2010年 大量の中古タイヤが豪州でリサイクルされず中国で燃やされている
  ブリスベンから輸出された100万本以上の中古タイヤが中国の炭鉱で燃やされている。 一方、オーストラリアのタイヤ・リサイクル業者は、事業を継続するためにリサイクルする中古タイヤが十分確保できないとしている。 
  昨年全体で、オーストラリアは1,100万本以上の中古タイヤを中国やベトナムに輸出しており、その内ブリスベン港からは150万本が船積みされている。 クイーンズランド州Ipswichにあるタイヤ・リサイクル業者Chip Tyre社のデーブ・モア社長は、「中古タイヤを”有害廃棄物”でなく”調整された廃棄物”として申告できる政府の規則の抜け穴が、この大量の中古タイヤの輸出を可能にしている。 このやり方は有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分の規制に関するバーゼル条約に違反していなくても、非倫理的な行為である。 現在の問題のひとつは、中古タイヤが中国に輸出されている理由がいかがわしいことである。  中国では古タイヤをリサイクルせず、陶器やレンガを焼く窯や発電所などで燃料として燃やされている」と話した。 中古タイヤは、一般のゴム製品のリサイクル業者からではなく、多くはバッタ業者から集められている。 
  クイーンズランド州廃棄物リサイクル協会のリック・ラルフ会長は、「オーストラリアのリサイクル業者にとって、中古タイヤの輸出を止めることが非常に重要である。 我々は中古タイヤなどのゴム製品を、接着剤や道路のアスファルトなど色々な製品にリサイクルしている。 もし我々がそれらの材料を確保できなければ、どこから輸入するのか?当然中国からとなる。 我々リサイクル業者はリサイクルの仕事をしたいし、新たな投資も考えている。 しかし、我々は政府の法律の抜け穴を埋めることが出来ないし、地元のリサイクル業者を支援することが出来ない。 このままではリサイクル業者は廃業に追い込まれる」と語った。 
  クイーンズランド州政府のケイト・ジョーンズ環境維持相は、「中古タイヤの輸出に関しては、来月のオーストラリア環境相会議で話し合うことになっている。 輸出に関する法律は連邦政府の管轄であって、州政府が決めることでない。 しかし、環境保護局はすでにクイーンズランド州南東部にある中古タイヤの取り扱い業者2社に対して行動を起している。 その内の1社は3,000本の中古タイヤを保管するライセンスを保有しているが、実際には18万本の中古タイヤを集めていた。 またもうひとつの会社は、中古タイヤを保管するライセンスや建物を改修する際に自治体の許可を取得しておらず、8万5,000ドル.の罰金を科せられている。 今後クイーンズランド州の廃棄産業への監視の強化と、規則に違反した場合は厳しい罰金を科すことを約束する」と話した。 (Source: ABC, 13/10/10 "Tyres burned in China, not recycled in Brisbane")
10月20日2010年 豪農家はヨーロッパの新しい環境貿易障壁に懸念が増す

  もし、ヨーロッパが環境保護を理由として新しく貿易障壁を設けることになれば、オーストラリアの農業部門も世界で大きな影響を受ける国のひとつとなる。 
  連邦政府のクレイグ・エマーソン貿易相は、「いくつかの国々は、気候変動の問題を輸入料金を値上げする格好の理由として使うことになるもしれない」と警告している。 貿易コンサルタントのピーター・ギャラハー氏は、「オーストラリアの農家の人たちに脅威が増すことを心配している。 農産物が透明な形で二酸化炭素の含有量を判断するのは非常に困難であるから、特に農産物が影響を受けることになる」と話した。 (Source: ABC, 04/101/10 "Fear of green trade barrier from Europe")

10月20日2010年 9月の新車販売が依然好調、乗用車部門は12.6%増 − NZ

  10月から消費税(GST)が引き上げられることと、レンターカー会社への販売が好調で、ニュージーランドの9月の新車自動車登録が、乗用車部門で前年同月比12.6%増、商用車部門で同13.3%増となった。 
  9月の新車乗用車の登録件数が6,298件となり前年同月比12.6%増え、今年1-9月の累計でも前年同期と比べて13.6%増加した。 新車商用車も1,646件で前年同月比13.3%増、今年1-9月の累計でも前年同期と比べて15.8%増加した。 
  9月のメーカー別の新車販売台数上位は、乗用車分門で、トヨタが1,479台で1位、2位はフォードの827台、3位はホールデンの491台、マツダは477台で4位となっている。 商用車部門の1位はトヨタの418台、2位はフォードの253台、3位は日産の241台、4位は三菱の132台となっている。 
  モデル別では、乗用車部門の1位がトヨタ”カローラ”が631台、2位はトヨタ”カムリ”が356台、3位はフォード”フォーカス”が280台となっている。 商用車部門では、1位がトヨタ”ハイラックス”の261台、2位が日産”ナバラ”の219台、3位がフォード”レンジャー”の1452台となっている。 (Source: MIANZ, 06/10/10 "September New Vehicle Sales Remain Strong")

10月20日2010年 来年2月までに、豪産ブドウの中国への輸出が可能に

  中国への1億ドル規模のオーストラリア産ブドウの輸出取引がついに署名された。 
  当初は今年の初めからとしていたが、今回オーストラリアのブドウ生産者は中国のすべての港にブドウを出荷することが出来るようになった。 オーストラリア・ブドウ協会のニック・ムラカ会長は、「有望な中国市場から多くの問い合わせがある。 その約110件の問い合わせのすべては取引が成立する可能性が高く、もしオーダーが来たら次のシーズンに輸出することになる。 別に来年2月までとは限らずに、航空貨物を使えばもっと早く出荷できる」と話した。 (Source: ABC, 14/10/10 "Table grapes could be exported to China by February")

10月20日2010年 有害農薬エンドスルファンの使用を禁止 − 豪医薬品局

  オーストラリアで農薬及び動物用医薬品の残留を監視する機関が、世界ですでに60ヶ国以上の国が禁止している化学薬品のオーストラリアでの使用を禁止した。 
  オーストラリア農薬・動物用医薬品局(APVMA : Australian Pesticides and Veterinary Medicines Authority)は10月2日、エンドスルファン(Endosulfan : 有機塩素系殺虫剤)を含んだ農薬の登録は今後認めないと発表した。 現在登録されている3種類のエンドスルファン商品は登録を削除し、エンドスルファンを一部含む5種類の商品は今後2年間で順次登録を削除していく。 今回の措置は、連邦政府がエンドスルファンを長期間使用して、その間に流れ出したエンドスルファンが環境に有害であると判断したことを受けたものである。 エンドスルファン製品のラベルに表示された取り扱い方法を守ったとしても、環境への長期的なリスクは避けられないと判断した。 APVMAは、「今回エンドスルファンの使用を禁止するのは、人体へのリスクが要因ではない」としている。 
  アメリカでは今年の6月に、環境省がエンドスルファンが農場で働く人々の神経系統や生殖機能に問題を起す可能性があり、野生生物にも危険を及ぼすとしたことから、すべてのエンドスルファンの使用を禁止している。 世界自然保護基金(WWF : :World Wide Fund for Nature)は今回のAPVMAの決定を歓迎しながらも、人体への影響について認めなかったことは遺憾としている。 
  WWFオーストラリアのジュリエット・キング広報担当は、「エンドスルファンは非常に危険で有毒であり、その他にもオーストラリアの農家の人々や野生生物に危険を及ぼす殺虫剤がまだ多く使用されている。 一刻も早くそのような殺虫剤を禁止していく作業が必要である。 APVMAは少なくとも8種類の危険な化学薬品の安全性を13年間も調べており、それらはまだ市場で販売されている」と話した。 (Source: AAP, 13/10/10 "Farming chemical banned") 

10月13日2010年 サンダルウッド生産者が海外での生産を計画−西オーストラリア州

  西オーストラリア州のTropical Forestry Services (TFS)社は、サンダルウッド(白檀)のビジネスを拡大するために、海外での植林を計画している。 
  同社はすでに、西オーストラリア州East Kimberleyに世界最大で3,700ヘクタールのサンダルウッドの植林地を所有している。 同社のフランク・ウィルソンCEOは、「我々は現在ブラジルや、ナンビヤ、南アフリカ、モザンビーク、タンザニアなどのアフリカ諸国でのサンダルウッドの植林の可能性を検討している。 オーストラリアでもサンダルウッドを育てることが出来る土地は多くあるが、十分な水の確保が出来ない。 西オーストラリア州Ord Valleyには十分な水がるが、サンダルウッドに適した土壌がある土地は限られている。 現在所有しているKununurraの植林地も拡大するにはすでに限界になっており、他の場所を探すしかない」と話した。 (Source: ABC, 11/10/10 "WA sandalwood operations look to expand offshore")

10月13日2010年 クルマエビ養殖業者は価格が下がり四苦八苦−クイーンズランド州
  クイーンズランド州ハービー・ベイのクルマエビ養殖業者は、クルマエビの価格が過去10年間で最低となり、業界は厳しい状況に置かれていると話した。 
  クルマエビ養殖業者スティーブン・マーフィー氏は、「昨シーズンはその前のシーズンより悪かった。 最近の大雨で貯水池が増えるのは良いが、今は豪ドル高で輸出マーケットに影響するのではないかと懸念している。 クルマエビの販売価格が下がり、その一方、燃料やその他のコストが増えて状況は非常に厳しい。 利益を確保するのが困難で、多くのクルマエビ養殖業者も四苦八苦している」と語った。 (Source: ABC, 30/09/10 "Prawn farmers 'doing it hard'")
10月13日2010年 豪州の9月の新車販売は過去最高、年間予想も100万台強に上方修正

  9月のオーストラリアの新車自動車販売は、ほとんどの車種で高い需要があり9月としては過去最高の販売台数となり、業界は今年の販売台数予想を100万台以上に上方修正することになった。 
  連邦自動車産業会議所(FCAI)が発表した統計によると、9月の乗用車、 SUV(多目的スポーツ車)、商用車を含めた新車自動車販売台数が8万5,054台となり、前年同月と比べて8.9%( 6,923台)増加した。 
  FCAIのアンドリュウ・マッケラーCEOは、「9月としては過去最高の販売台数を記録して素晴らしいことである。 これは今までの記録であった2005年9月より584台上回ったことになる。 そして個人の購入者が14.2%増えたことが我々にとって励みとなり、自動車市場に自信がついてきている証拠である。 この数ヶ月間販売の好調が続いており、自動車業界は、今年の販売台数予想を当初の98万台から100万台以上に上方修正した。 オーストラリア市場で新車の販売台数が年間100万台を越えたのは過去に2回だけで、今年は3回目となる可能性が大いにある」と話した。 
  9月はSUVが36.3%、乗用車が3.1%、軽商用車が1.7%がそれぞれ増加した。 メーカー別ではトヨタが1万6,185台で1位、2位はホールデンの1万718台、3位はマツダの8,850台となっている。 今年1月から9月までの新車自動車販売台数の累計は78万720台で、前年同期と比べて14.5%増えている。
 .(Source: FCAI, 05/10/10 "New car sales achieve a record September result")

10月13日2010年 景気が回復せず真珠養殖業者は減産 − 西オーストラリア州
  西オーストラリア州の真珠生産者協会は、世界的な金融危機以降、世界の真珠需要はまだ回復していないとしている。 
  販売の落ち込みを受けて、西オーストラリア州北西部の真珠生産者たちはこの数年真珠の稚貝の生産量を減らし、現在の生産量は40%減少している。 真珠生産者協会のブレット・マッカラム会長は、「アメリカ市場が景気低迷から回復して、今後12ヶ月間で状況が好転することを望んでいる。 鉱山業は掘り起こすまで資源は地中に留まっているが、真珠養殖に関しては、真珠貝を何もせずにそのまま海の中に沈めておくことは困難である。 真珠貝は生き物であり、一旦生産を開始すると、大きくなるまで2年間投資して育てていかなければならない。 養殖業者の数は減ったり増えたりしているが、現在は最盛期の4分の3くらいになっている。 養殖業者たちは事業を継続するために、余分な経費を削減して景気が良くなることを期待して頑張っている」と話した。 (Source: ABC, 06/10/10 "Falling production takes shine off pearl industry")
10月13日2010年 ヨーロッパへのイノシシ肉の輸出量が過去最高−クイーンズランド州

  クイーンズランド州にある狩猟による野生動物の肉を扱う会社は、今年はイノシシの肉の輸出量が記録的であると話した。 
  クイーンズランド州IpswichとBlackallに食肉加工場を持つGame Meat Processing社のゼネラル・マネージャーのレックス・デバンティアー氏は、「今年のカンガルー肉は、大雨のために猟師がカンガルーを獲ることが困難であった。 カンガルー肉に関してはこの数年厳しい状況が続いている。 しかし、ヨーロッパのイノシシ市場は好調である。 主要なマーケットはドイツとフランスである。 今年は大雨で狩猟が中断したりしたが、輸出量では過去最高となった。 輸出価格に関しては最近の豪ドル高が影響している」と話した。 (Source: ABC, 07/10/10 "Wild boar exports doing well")

10月13日2010年 今年の乾牧草の生産量が70%減少 ー 西オーストラリア州

  今年の西オーストラリア州の乾牧草の生産量が不作の為に約70%減少する見込みで、これにより価格が大幅に上昇する模様である。 
  同州の乾牧草業者Narrogin Hay社のデス・ブレチンデン氏は、「牛肉生産者や酪農家は、乾牧草に高い価格を払うか、飼育する牛の頭数を減らすかの選択を強いられる。 一部の農家はすでに牛の飼育頭数を減らすことを示唆している」と語った。 (Source: ABC, 08/10/10 "Hay hard to come by in WA")

10月06日2010年 カンガルー製品の輸入を5年間許可 − 米国カリフォルニア州

  オーストラリアのカンガルー輸出業界は、アメリカのカリフォルニア州のアーノルド・シュワルツェネッガー知事が助けに来てくれたとしている。 
  カリフォルニア州議会での投票のあと、シュワルツェネッガー知事が、今後5年間カンガルー製品の輸入を可能にする法律に署名した。 この法律はオーストラリアのカンガルー輸出業者にとって救いの神となった。 カンガルー業界は2007年に、外来動物の部位を輸入禁止するカリフォルニア州法の3年間の免除期間を受けた。 今回の署名はその免除期間が切れることによるもので、さらに5年間更新された。 
  アデレードで食肉や皮革を扱うレイ・ボーダ氏は、「今回の免除は、この数年間干ばつや世界的な金融危機などで厳しい状況に置かれているカンガルー業界にとって良いニュースとなった。 もし、カンガルーの皮革が輸入禁止となれば、スポーツ用品のアディダス、ピューマ、ディアドラや、ファッション靴・ハンドバッグ・ゴルフグローブ・オートバイ用の衣料の生産者は、アメリカ国内で原材料を探すことになり、オーストラリアのカンガルー皮革への興味が落ちることになる」と話した。 (Source: ABC, 01/10/10 "Arnie saves roo exports from termination")

10月06日2010年 ワイン用ブドウの生産過剰が農家の利益を圧迫

  南オーストラリア州でのワイン用ブドウの豊作予想が、農家たちの利益を削ることになっている。 
  生産過剰を防ぐために、業界ではオーストラリア全土で20%のブドウ園が削減されるべきであるとされているが、南オーストラリア州の業界団体Phylloxera and Grape Industry Boardによると、南オーストラリア州のワイン用ブドウ農家は来年、11万トンもの余剰のブドウが収穫されることになるとしている。 
  オーストラリア・ワインメーカー連盟(Winemakers Federation of Australia)のスティーブン・ストラチャン会長は、「生産過剰は農家の利益を圧迫する可能性がある。 来年にワインの価格が下がることはないだろう。 何故なら、価格はすでに最低の水準になっているから。 オーストラリア全土で20%のブドウ園が余剰と分かってから、農家たちに削減するように言ってきた。 そして、南オーストラリア州での生産過剰が予想されるが、ブドウ園の削減は進んでいる」と語った。 
  南オーストラリア州バロッサバレーのブドウ農家アドリアン・ホフマン氏は、「この数年、赤字を避けるためにブドウ園を縮小している。 現在は非常に厳しい状況である。 多くの農家はとにかく投資をせず、今ある金を大切に蓄えている。 ワイナリーに納入を約束したブドウの量に40トン足りない。 しかし、我々はいつも適正な価格を請求し、ワイナリーもそれを了承している。 多くのワイナリーはブドウ農家との関係を築きあげている。 ワイナリーに対していつも真摯な態度であれは、ワイナリーも理解してくれる」と話した。 
  オーストラリア・ワイン用ブドウ生産者協会のビック・パトリック会長は、「多くの農家は最近の雨の恩恵を受けて、作物への灌漑用水の割り当てを増やしている。 今後の割り当てはどうなるかは分からないが、今年は今までよりよくなると思う」と話した。 (Source: The Australian, 05/10/10 "Grape glut to slash profits")

10月06日2010年 オーガニック食品が10億ドルの産業になる
  最近の報告書によると、この2年間でオーガニック産物の売り上げが50%以上伸びていることが分かった。 
  オーストラリアで最大のオーガニック認定団体BFA(Biological Farmers of Australia)の「2010年オーガニック・マーケット・レポート」では、今年のオーガニック食品の売り上げが10億ドルになると予想している。 
  同レポートの共著者のアレクサンドラ・ミッチェル氏は、「消費者は自分の好みの商品を選択することに大変気を使っており、オーガニック食品を求めている。 これだけの売り上げ規模になると、もはやオーガニック産業は新興産業ではない。 タスマニア州の農家で今後最も期待されるのは半製品である。 現在で最も成長しているのが、ベビーフードやジュースなどの半製品や最小限に加工された製品で、タスマニア州の農家がオーガニック市場に参入できる可能性がある。 オーガニックの乳製品も、タスマニア州では1社しかオーガニックの認定を受けておらず、今後の成長が期待できる。 タスマニア州では現在、約2500-3000ヘクタールの農地がオーガニック認定されているか、、またはされることが可能な農地がある。 そして、新しくオーガニック農業を始める人たちが入ってきており、その農地は絶えず広がっている。 ライフスタイルの変化で、都会に住んでいた人が田舎に引越しをして、オーガニック農業を始めて少しでも収入の足しにしょうとする人たちが増えてきたことである」と話した。 (Source: ABC, 01/10/10 "Organic food becomes $1bn industry")
10月06日2010年 栗の病気であるクリ胴枯病の発生を確認 − ビクトリア州

  ビクトリア州北東部の2ヶ所の栗林を検査したところ、外来の病気であるクリ胴枯病(Chestnut Blight)の陽性反応が出た。 
  ビクトリア州政府第一産業省は、ほかの栗林も同様の症状が出ていないかを引き続き調査している。 現在まで同省の職員が40ヶ所の栗林を訪れ、検査の為に100個のサンプルを採集した。 
  同省のビル・アッシュクロフト職員は、「現在、生産者と協力して、この病気が広がっていないかを調べている。 今この病気がどこで発生しているのか? そしてどこまで広がっているかや、この病気を根絶出来るのかどうかを目的に調べている。 栗生産者たちは調査に非常に協力的で、クリ胴枯病の大発生の影響について心配している」と話した。 
  ビクトリア州Benalla地区選出のビル・サイクス国会議員は、「栗業界の人たちと会ったが、クリ胴枯病が広がってしまうと非常に恐ろしいことになる。 皆が心配しているのは、栗の生産に影響するし、この病気を根絶する費用を誰が支払うのか? もし根絶できなかったら、生活が出来なくなると懸念している」と話した。 (Source: ABC, 28/09/10 "DPI confirms chestnut blight cases")

10月06日2010年 オーストラリアは年間5億ドルの野菜を輸入 − 豪野菜業界団体